多くの方との出会いに感謝
宿を取るところに始まり出入国についても細かく教えて頂いたり、現地で迷いかけてどこからともなく天の声を頂いたり、なかなか訪問出来ないオフィスへ訪問させてもらったりと、主にtwitter/facebook経由で多くの方に助けてもらいっぱなしでした。主に@zaki50さん、@kanzmrswさん、@roishi2j2さん、@androidzaurusさん、@amedamaさんに助けて頂いたのですが、現地でフラフラっと危なげな通りに迷い込みかけた時に@chun_ryoさんから「え、その通り危なくね?」と止めて頂いたりと、本当に多くの方へお世話になりました。
ほとんどの方が初対面だった(@roishi2j2さんと@androidzaurusさんに至っては日本から修学旅行の高校生を見守る父兄のような感じで多くのヒントを頂きました)にも関わらず、非常に暖かく接して下さったことを強く覚えています。
私が一人で渡米していてはきっと実現出来なかった、Google本社やApple本社を訪問し、第一線で活躍される方のお話を伺うなど多くの貴重な体験は、一重に助けて頂いた皆様のおかげです。
ちなみに、Google I/O期間中の宿は、@zaki50さんの呼びかけで会場近くのホテルを2人組で取って安くあげていました。ここで、息をするようにツイートし、ネットサーフィンするようにブログを書く凄い人、@adakodaさんに出会い「Android開発方面で圧倒的な情報量を持つサイトはこうやって支えられてるのか」と思ったのを今も鮮明に覚えています。
現地で思いがけず海外の技術者に出会うことも出来ました。私はGoogle I/O当時、auのIS03をメイン端末として使っていたのですが、Google I/Oの会場で見ず知らずの私に声をかけ"その端末、うちの会社が作ってるよ! 米国内では発売してないけどいい端末だよね"と話してくれたシャープ米国法人の技術者の方、とても目を輝かせて素敵な方でした。
当然、多くの日本人技術者の方との出会いもありました。これは一定残念なことでもあるのですが、海外へ行くと通常よりも日本人同士での情報交換が活発になるというのはやはりあるようで(元々Androidクラスタは情報共有度が高いからあまり変わらなかったようにも思いますが)現地で開催されるセッションの情報や、会期に合わせて開催されるソフトウェアベンダー/端末メーカ主催のパーティや、誰それがクラムチャウダー食べに行くって言ってるから一緒に行こうぜ的なものまで、様々な話題が繰り広げられていました。今ではfacebook Messengerとなっている"beluga"が大活躍したのも、良い思い出です。
また、イベント紹介記事としてI/Oのセッションに関する小さな記事をInterface誌に寄せることが出来たのも、このイベントから得られたもののひとつです(その後の技術的な記事が続いてなくてすみません)。
セッションの話
基本的にAndroidの話は聞かず、普段触れない技術や技術を支える考え方、的なセッションを中心に観ていました。
"Crisis Response 2.0"セッションからは、 Googlenessというものの一端を垣間見た気がしました。ある考え方/規範に基づいて多くの社員が有機的に結合してある問題への解決策となるサービスを作り上げるということの凄さを感じるものでした。
Android界隈にちょいちょい顔を出す一方でGoogle App Engineに対してあまり興味を持っていなかった私にとって、技術面で最も得るものが大きかったのはGoogle App Engine関連のものであったと言えます。
私自身は現在KLabという、元々OSSベースのインフラ構築・運用力を強みにしてきた会社に在籍しているのですが、日々の仕事中で「このインフラはどういう思想で組まれているんだろう?」と考えることがシステム構成やシステムの持つ構造的弱点の推測において非常に役立ちます。
このことからGoogleのインフラエンジニアやそのQAにおいては何が考えられているんだろう、というところには常々興味を持っていて、I/Oのセッション中でほんの少しではありますがApp Engine周辺のエンジニアリング像に触れることが出来たのは大変良い刺激になりました(後に東京で開かれたGoogle I/O報告会にて、このネタを発表する機会も頂きましたし)。
海外を旅する、ということについて
実は観光目的を含む海外旅行(?)は、初めてでした(正確には、仕事で北京へ行き王府井にお土産買いに行った帰りのタクシーで料金ふっかけられるという体験を会社の3人でしてるのだけど、まあそれはあくまでも仕事の中だし別の話ということで)。
I/Oを含む滞在期間中には、好き勝手に街中を歩きまわったり、ずっと観たかったところへ行ったり、と結構のんびりと過ごした日もありました。
中でも感動したのは、かなり前に米国用のCMとして一部blogで話題になった、BRAVIAの"スーパーボール25万個をサンフランシスコの坂から落とす"というCMの撮影場所を見れたことでした。なんじゃそりゃ、という感じなのですが、CM自体が感動的な出来だったためいつか観たいと思っていたもので、ついつい散歩がてら坂を越え坂を越え坂を越え、観に行ってしまいました。
その他、スタバで恐る恐るコーヒーを注文したり、テザリング用にT-MobileショップへAndroid端末を買いに行ったり、Verizon WirelessとAT&Tのショップが並んでiPhone推ししているのを眺めたり、同じく店内でベイエリアのLTEエリアマップを見て案外利用可能エリアが広いことに驚いたり、"free Wi-Fi available"と書かれたカフェで接続キー情報が見つからず店員さんに聞いたり、でっかいステーキを食べたり、乗り合いで手配して頂いたレンタカーを恐る恐るシリコンバレーまで運転していったりと、小さな体験ひとつひとつが良い思い出です。
で
2011年のGoogle I/Oでは最高の体験をすることが出来ました。そして今年のGoogle I/O 2012には参加しません。チケット取りにくそう、というのはあんまり関係なく、I/Oの期間中から「一年目の刺激と感動が、きっと最大のもの」ということをずっと考えていたためです。他方で去年のI/Oで得たヒント/考えたネタをまだまだ全然消化しきれてない現状もあり、中途半端すぎて納得いかないというのもあります。きっと次があれば出展する側で参加したいなと思いつつ、今年は「初めて行くぞー!」という方がチケットを取れたらいいな、と願います。
Google I/O 2011をきっかけに多くの方の助けを頂いて得た点と点を結んで、きちんとした線に仕上げていきたいと思います。