私がGoogle I/O 2011から得たもの

2012年3月27日火曜日

2012年のGoogle I/O申し込みが目前に迫る2012/03/27 22:28、そろそろ2011年のI/Oについて書いておこうと思ったのでいくつか書いてみます。


多くの方との出会いに感謝
宿を取るところに始まり出入国についても細かく教えて頂いたり、現地で迷いかけてどこからともなく天の声を頂いたり、なかなか訪問出来ないオフィスへ訪問させてもらったりと、主にtwitter/facebook経由で多くの方に助けてもらいっぱなしでした。主に@zaki50さん、@kanzmrswさん、@roishi2j2さん、@androidzaurusさん、@amedamaさんに助けて頂いたのですが、現地でフラフラっと危なげな通りに迷い込みかけた時に@chun_ryoさんから「え、その通り危なくね?」と止めて頂いたりと、本当に多くの方へお世話になりました。
ほとんどの方が初対面だった(@roishi2j2さんと@androidzaurusさんに至っては日本から修学旅行の高校生を見守る父兄のような感じで多くのヒントを頂きました)にも関わらず、非常に暖かく接して下さったことを強く覚えています。
私が一人で渡米していてはきっと実現出来なかった、Google本社やApple本社を訪問し、第一線で活躍される方のお話を伺うなど多くの貴重な体験は、一重に助けて頂いた皆様のおかげです。

ちなみに、Google I/O期間中の宿は、@zaki50さんの呼びかけで会場近くのホテルを2人組で取って安くあげていました。ここで、息をするようにツイートし、ネットサーフィンするようにブログを書く凄い人、@adakodaさんに出会い「Android開発方面で圧倒的な情報量を持つサイトはこうやって支えられてるのか」と思ったのを今も鮮明に覚えています。

現地で思いがけず海外の技術者に出会うことも出来ました。私はGoogle I/O当時、auのIS03をメイン端末として使っていたのですが、Google I/Oの会場で見ず知らずの私に声をかけ"その端末、うちの会社が作ってるよ! 米国内では発売してないけどいい端末だよね"と話してくれたシャープ米国法人の技術者の方、とても目を輝かせて素敵な方でした。

当然、多くの日本人技術者の方との出会いもありました。これは一定残念なことでもあるのですが、海外へ行くと通常よりも日本人同士での情報交換が活発になるというのはやはりあるようで(元々Androidクラスタは情報共有度が高いからあまり変わらなかったようにも思いますが)現地で開催されるセッションの情報や、会期に合わせて開催されるソフトウェアベンダー/端末メーカ主催のパーティや、誰それがクラムチャウダー食べに行くって言ってるから一緒に行こうぜ的なものまで、様々な話題が繰り広げられていました。今ではfacebook Messengerとなっている"beluga"が大活躍したのも、良い思い出です。

また、イベント紹介記事としてI/Oのセッションに関する小さな記事をInterface誌に寄せることが出来たのも、このイベントから得られたもののひとつです(その後の技術的な記事が続いてなくてすみません)。

セッションの話
基本的にAndroidの話は聞かず、普段触れない技術や技術を支える考え方、的なセッションを中心に観ていました。
"Crisis Response 2.0"セッションからは、 Googlenessというものの一端を垣間見た気がしました。ある考え方/規範に基づいて多くの社員が有機的に結合してある問題への解決策となるサービスを作り上げるということの凄さを感じるものでした。

Android界隈にちょいちょい顔を出す一方でGoogle App Engineに対してあまり興味を持っていなかった私にとって、技術面で最も得るものが大きかったのはGoogle App Engine関連のものであったと言えます。
私自身は現在KLabという、元々OSSベースのインフラ構築・運用力を強みにしてきた会社に在籍しているのですが、日々の仕事中で「このインフラはどういう思想で組まれているんだろう?」と考えることがシステム構成やシステムの持つ構造的弱点の推測において非常に役立ちます。
このことからGoogleのインフラエンジニアやそのQAにおいては何が考えられているんだろう、というところには常々興味を持っていて、I/Oのセッション中でほんの少しではありますがApp Engine周辺のエンジニアリング像に触れることが出来たのは大変良い刺激になりました(後に東京で開かれたGoogle I/O報告会にて、このネタを発表する機会も頂きましたし)。


海外を旅する、ということについて
実は観光目的を含む海外旅行(?)は、初めてでした(正確には、仕事で北京へ行き王府井にお土産買いに行った帰りのタクシーで料金ふっかけられるという体験を会社の3人でしてるのだけど、まあそれはあくまでも仕事の中だし別の話ということで)。
I/Oを含む滞在期間中には、好き勝手に街中を歩きまわったり、ずっと観たかったところへ行ったり、と結構のんびりと過ごした日もありました。
中でも感動したのは、かなり前に米国用のCMとして一部blogで話題になった、BRAVIAの"スーパーボール25万個をサンフランシスコの坂から落とす"というCMの撮影場所を見れたことでした。なんじゃそりゃ、という感じなのですが、CM自体が感動的な出来だったためいつか観たいと思っていたもので、ついつい散歩がてら坂を越え坂を越え坂を越え、観に行ってしまいました。

その他、スタバで恐る恐るコーヒーを注文したり、テザリング用にT-MobileショップへAndroid端末を買いに行ったり、Verizon WirelessとAT&Tのショップが並んでiPhone推ししているのを眺めたり、同じく店内でベイエリアのLTEエリアマップを見て案外利用可能エリアが広いことに驚いたり、"free Wi-Fi available"と書かれたカフェで接続キー情報が見つからず店員さんに聞いたり、でっかいステーキを食べたり、乗り合いで手配して頂いたレンタカーを恐る恐るシリコンバレーまで運転していったりと、小さな体験ひとつひとつが良い思い出です。



2011年のGoogle I/Oでは最高の体験をすることが出来ました。そして今年のGoogle I/O 2012には参加しません。チケット取りにくそう、というのはあんまり関係なく、I/Oの期間中から「一年目の刺激と感動が、きっと最大のもの」ということをずっと考えていたためです。他方で去年のI/Oで得たヒント/考えたネタをまだまだ全然消化しきれてない現状もあり、中途半端すぎて納得いかないというのもあります。きっと次があれば出展する側で参加したいなと思いつつ、今年は「初めて行くぞー!」という方がチケットを取れたらいいな、と願います。
Google I/O 2011をきっかけに多くの方の助けを頂いて得た点と点を結んで、きちんとした線に仕上げていきたいと思います。

ろくろ回してきたよ@京都

2012年3月19日月曜日

Web業界で、ろくろを回すのが空前のブームと聞いて京都で焼物体験をやってる窯元にお邪魔してろくろを回してきた。

経緯はこのへん。
WEB業界ろくろ回しすぎワロタ
「WEB業界ろくろ回しすぎワロタ」に対するWeb業界の反応をまとめてみた

昨晩東京を出て京都に着いたのは午前7時過ぎ。
足で回すろくろはさすがに難易度高すぎだろうと思ったら、調べた限りで体験教室やっている窯元は大体電気ろくろらしかった。アクセスよさげで当日予約出来そうなところを探した結果、たどり着いたのはこちら。
「京焼・清水焼」豊仙窯

場所は京都駅からほど近く、京都国立博物館(外装の工事してた)のすぐそば。博物館にも今度来てみたい。

すぐには要らないけど、熱燗とかによさげなお猪口とか作れるといいかなーと思い、小さめのをいくつか作ることにした。10時半から1時間予定の教室だったのだけど、実際終わってみると12時半ぐらい。集中して粘土と格闘していたらあっという間に時間が経っていたのでした。

窯元のせんせに撮って頂いた写真を少々。


( ー`дー´)キリッ




(^o^)



出来たのはこんな感じ。

一部の器は膝に矢を受けてしまった状態になってるけど、出来上がり楽しみ。
これだけ充実してお茶菓子まで出して頂いて4,000円(色付け/焼き/送料込み)というのはなかなかお得感ありました。

けど、Web業界で大ブームという割には閑散としてて、一緒に体験教室受けたのカップル一組でおじさん正直居場所微妙だったよ。もっと皆ろくろ回そうぜ!

「第1回NFC勉強会」で発表してきました

2012年3月18日日曜日

先週のシャープ株式会社様主催ハッカソンに続きですが、ひょんな縁から参加&発表してきました。

他の方の発表も面白いなぁと思いながら聞いていたのですが、残念なことに、大変残念なことに自分の出番の直前までプレゼン資料を書いていたのであまり他の方の発表にコメント出来ません…。きっと主催のNFC-Labさんにてまとめ記事を書かれると思うので、そちらを参照ください。

ある日facebookで、社内の新規事業企画系部署の人から


とコメントをもらい、「なんかしたっけなぁ…」とビクビクしていたところ数日後オフィスで

  • 「ブリリアントサービスって会社さんご存知です?」
  • 「そりゃもちろん」
  • 「今度NFCの勉強会をされる予定で、会場をうちの会議室にしようかって話してるんですよ」
  • 「お、もしうち会場だったら私も手伝うし、なんか喋りますよー」

という感じの話をしました。その後会場提供が本決まりになったと連絡を受けつつも特段ネタは考えず 第4回シャープハッカソン へ参加したりしていました。ふとネタを思いついたのは3/14の朝、
以前からFeliCa周辺には大いに興味を持ってきていて何かしらまとめたいという思いがあり、結構ふざけたタイトルですがこの内容に決めました。それなりに調べてきたエリアなので5-10分の発表ならあまり日数無くても資料まとめられるだろうという読みもありました。結果、この読みが大甘だったと後で焦ることになるんですが。

資料書き始めたのは前日(代休取ってた)の昼、ネタ出しをしている時点で書き終わるのか微妙な感がしてきた結果、第1回なのでなるべくポイントを絞った紹介を行おうということで出来たのが以下です。




他の方の発表がめっちゃ真面目で、かつ会場内ほとんど知らない人だったのでアウェイ感が凄かったのですが、無事発表が終わり、会場内から多くのコメント/質問を頂きました。
  • FeliCaのIDmを偽装、というのは既に方法として確立されているものなんですか?(要旨)
  • 既存のSuica/Edy/...共用システムでは、IDm偽装などによる影響を抑えるための策を組み合わせてサービス展開してるよ
  • 今後NFC/FeliCaを使ったサービスやアプリ開発のアウト/セーフ的なところをまとめていくつもりはあるんですか?
  • FeliCaのアプリケーション登録を行わずともIDmのみに依らないシステムを構築することは可能で、実際にされているケースもある。システムベンダにてFeliCaを発行してもらい、カード内に自前の暗号を用いたデータを格納しておき、それとIDmとの組み合わせによりカードを識別するような形
  • スライド中にあった「セキュアエレメントを他のシーンにも」という意図は?

他にも質問/コメントを頂いたかもしれません、漏らしていたらすみません。twitterなどで指摘頂けますと幸いです。

発表してみて、反響の大きさに驚きました。「技術的には実現可能だけど、やって大丈夫なのかよく分からないエリア」というところへの関心の高さを感じ、どこまで出来るか分かりませんが、まずは開発者にとって分かりやすく情報をまとめていこうと思いました。

勉強会を企画頂いた NFC-Lab の皆様、雨で足元の悪いなかお越しいただいた皆様、ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

最後に写真を少々。



ビルのエントランス

もうすぐ人が来る、という時(このへんで運営に合流)

勉強会終了後の懇親会(結果、いつもの面々でした)

「第4回シャープハッカソン」に参加してきました

2012年3月11日日曜日


3/10、3/11の両日に広島県東広島市で開催された、シャープ株式会社様主催、株式会社ブリリアントサービス様運営の「第四回シャープハッカソン」に参加してきました。

お題は「女子力向上アプリ、あるいは女子向けアプリ、それか関係ないアプリ何か」というもので、これに
・アプリ開発者
・デザイナ
・一般女性
から成るチームを組んで一泊二日で取り組む、という企画でした。

このあたりは@tunakko_さんのblog( tunakko.net/?p=7533 など )へ既にアップされているので省略しつつ、参加の感想を中心に書きます。

私が参加したのは「手描きデコメを簡単に作ってメールに使ったり友達とシェアしたり出来るアプリ『スタ☆ミ』(デコ美じゃないよ)」を開発する「特攻野郎Bチーム」です。

ひとことで言って、最高のチームでした。
「何をいつまでにやってよろしく」なんて誰も言わなかった。
誰も言わないけどちゃんとしたものを皆がそれぞれ作ってた。
完璧すぎて怖いぐらいに完璧でした。
最高のチームには、少なくとも短期的にPMは必要ないんだなぁ、なんて思ったりしつつ、振り返ってみるとtwitterでのツイート量が異常に多かったのが我々「特攻野郎Bチーム」だったように思います。

他のチームの皆さんも含め、楽しみつつ必死で限界にチャレンジしつつ、という非常に刺激的な場でした。参加者投票の結果私達のチームが優勝という名誉を頂戴しましたが、どのチームもドリームチーム、どこが優勝してもおかしくないというメチャクチャな場だったと思います。


そんなドリームチーム群の中で私が行うべきことは、ハッカソン開始前から明らかでした。レッドブルを入手し、翼の折れた方に翼を提供することです。

結局買っただけ自分で飲んだり、キンキンに冷やしてホテルの冷蔵庫へ1本忘れてくるなど、大して役割を果たせなかったのですが…。

●この場を借りてチームの皆様にお礼など

画像処理系を@adakodaさんにまるっとお願いしたところ「画像処理は一通りやってきたから( ー`дー´)」と最高の笑顔で抜群の安定感を発揮して下さいました。レイアウトの組み込みも平然ときめ細かく対応下さる男前ぶりでした。

@cattaka_netさん、アニメーションとかほとんどやったことない、と言いつつ起動アニメーションをきれいに作って下さったり「ついでにやっといた」とjQuery MobileでシェアUIを作って頂いたりと、確実に完成度を一歩上の水準へと引き上げて下さいました。「適当な仕事出来ない」と終盤で気合を入れ直すきっかけになりました。

ところどころで必要になる足回り、@cyberspacefarmさんが先回りして整備してくださったのでつまづくことなく実装に集中出来ました。アプリ実装もギリギリまで作り込んでくださって、経験の厚みを感じました。

デザイナの@tommmmyさん、最短距離で完璧な仕事を行いアプリに息を吹き込んでいくさまには素直に驚きました。デザインの重要性は自分で十分認識していたつもりでしたが、その想定をはるかに上回るクォリティで「使いたくなるアプリ」に仕上げて下さいました。途中、私の技術的な詰めが甘くデザイン自体の変更をお願いすることになった時も、「オッケー☆」というぐらいの軽いノリ(あ、これは隣のチームだ…)で適応して下さり、大変作業しやすかったです。

@tunakko_さん、EOSで素敵な写真を撮りつつアプリの出来の良し悪しをしっかり指摘頂いたので、安心して迷わず開発することが出来ました。
二日目には「プレゼンはホームだ任せろ!!( ー`дー´)」と猛烈なスピードでアプリとサービス全体の素敵さを伝えるプレゼンを書いて下さり、最後に平然とプロモーションビデオまで作ってしまうパワフルさに圧倒されっぱなしでした(プレゼン直前でMacBook Proの電源が突如落ちた時には焦りました)。

そして一般女性(自称)の@mgmix5さん。アイディア出しからアプリの作り込みまで、一貫して最高のものを創り上げるムードを作って下さいました。
そして「apkを渡すと"adb install"コマンドでインストールして、ついでにエラーが出たら適当にエラー文言をtwitterに貼ってくれる」一般女性(仮)へお目にかかったことのなかった私にとっては、衝撃の存在でもありました。



こんな凄いチームの中で私が担当したのは、@adakodaさんがナイスに切り出して下さったスタンプからデコメ用の画像ファイルを生成し適切なディレクトリへ書きだす部分と、作ったデコメを友達へシェアするためのデータアップロード部分です(受け側はスマフォ用UIも含め@cattaka_netさんがナイスに作って下さいました)。これを一日目に概ね倒すことが出来たので、あとは撮影した写真の縦横が反転するXperia対応など、機種や状況により生じる不具合への細かな対処と他の方の手が回らない箇所のサポートを行なっていました。
技術面では、ここしばらく個人的に書いていたアプリでハマってた問題がうまく生きてサクサクと作ることが出来たのがラッキー要素でした。

他チームの皆様についても書きたいことがいっぱいあるのですが、今回は
・徹底的に技術中心で攻めるチーム
・マネタイズまでしっかり練り込むチーム
・独特の世界観を追求するチーム
とにかくどのチームも凄かった、とだけ記載させてください。

最後に、ハッカソンを主催頂き、最上の丁寧なもてなしを頂きましたシャープ株式会社様、および運営を頂きました株式会社ブリリアントサービス様とその関係各位に深く感謝申し上げます。

皆様、最高の体験をありがとうございました。また近いうちにお目にかかれると幸いです。